shotanaga’s blog

人生は旅。

真の政治家

 「戦う民意」 沖縄県知事 翁長雄志 2015年 角川書店

 保守・革新の対立を超越して「オール沖縄」を掲げて知事に就任した翁長氏。前知事が承認した普天間飛行場辺野古移設に反対して巨大な権力と闘っている姿が印象的だが、この著書で沖縄県民が幸福に暮らしていけるように、沖縄経済の発展のために職務を全うする素晴らしい政治家だと思った。これは困難な闘いだと思われるが、私はこれからも応援していこうと思う。

 沖縄の基地問題については私も関心を持っている。沖縄は基地のおかげで経済が成り立ってると指摘されることがある。でもそれは翁長氏が主張するように大きな誤解であると思う。たしかに戦後から本土復帰までの時期は基幹産業もなく、沖縄戦で荒廃した土地で農業を興すことも難しく、生きていくために基地関連産業に頼らざるを得なかった。しかし、現在は観光産業や日本とアジアの物流拠点として経済を発展させるのとは可能であり、基地関連産業の役割は相対的に低下している。むしろ基地が経済の阻害にさえなっている。また、日米安保体制は重要なのかもしれないが、沖縄に過剰負担を強いることは人権侵害にさえなりかねない。そのためにも沖縄の負担軽減のための県外移設、日米安保体制の抜本的な見直しについて考える必要が出てくる。

 そして問題になっている辺野古移設では、実質的には海兵隊のための新基地建設になるが、これが本当に日米安保のために必要なのだろうかと疑問が募る。冷戦が終結したこの時代に海兵隊を配備する必要性は少ないと思われ、中国や北朝鮮に対しての抑止力とするとしても必ずしも沖縄が最適な拠点だと断定もできないであろう。民意を無視した辺野古移設は、人権侵害や環境破壊を招くだけであり、かえって日米同盟に亀裂を生じることになるかもしれない。

 私は3月から2週間ほど沖縄やその周辺の島々を旅する予定だ。出発までに沖縄の歴史、文化、政治などを学んでいきたい。

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